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みなさんこんにちは!
本日も当ブログにお越しいただきありがとうございますm(_ _)m
今回は、
「ぎょらん(著者:町田そのこ)」
こちらを読み終えたので、感想を書いていきたいと思います。
やっぱり、町田そのこさんが描く優しい物語が大好きです。
著書概要
出版社:新潮文庫
発売日:2018年10月31日
定価:単行本(1815円)、文庫本(935円)
著者:町田そのこ
あらすじ
人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。噛み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・朱鷺は、ある理由から都市伝説めいたこの珠の真相を調べ続けていた。「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。傷ついた魂の再生を圧倒的筆力で描く7編の連作集。文庫書き下ろし「赤はこれからも」収録。
感想
まず読み終えて感じたのは、”町田そのこさんが書く物語が本当に好きだ”ということです。
本作品のタイトルにもなっている「ぎょらん」とは亡くなった人が最後に遺した想いがわかるというもの。
赤い玉である、口にすると想いが伝わる、手で持つだけで伝わる、さらには名称までも諸説ある、いわゆる都市伝説に近い存在であるものが、過去にぎょらんを口にして以来、立ち直れずにいる少年、朱鷺(とき)を中心に再生を描いている短編小説です。
物語の性質上、死というネガティブな印象が先に頭に入ってしまい悲しい物語と受け取られるかもしれません。
しかし町田そのこさんは、そんなネガティブな印象を優しい世界観と温かいたくさんの言葉で包んでくれている。そんな印象を受けた物語でした。
優しさと温もりで包まれた、町田そのこさんの物語に涙なしで読み終えることはできませんでした。
ぎょらんの正体は、死者が遺すのではなく本人が故人に対してこうであって欲しいという願いや祈りが結晶となったものであり、憎まれていると思う人は憎しみ。怒っていると思う人は怒り。愛されてると思う人は愛のぎょらんをつくると整理されています(これも諸説あるかもしれません)
死というのは不思議なことに実際に直面しないと、自分と隣り合わせになっていることに気づくことができず、そして全ての人が幸せな死を選ぶことはできるわけではありません。私自身も今生きていますが、明日には不慮の事故で命が尽きるかもしれません。
筆者が伝えたかった想いは、死は決して自分や周囲が望んだタイミングではない、だからこそいつ死と直面しても後悔のない生き方をして欲しい。
そんな想いを私は受け取りました。
「どうしようもない死を前にした時、人は立ちつくして死者とまた繋がれないかと苦悩する。死者との繋がりや記憶で救われることももちろんある。けれど絶望の沼の中まで寄り添ってくれて、引き揚げて立ち上がらせてくれるのはいつだって同じ世界に生きている人である。」
本書で心に響いた言葉です。
確かにその通りだ。作中のこの言葉を読んだ時涙せずにはいられませんでした。
死に直面した人の絶望の中まで寄り添い引き上げて立ち上がらせる……自分にそんな偉大なことができるのか……分からないけれど誰かのために、そして自分が後悔をしない道を選んで前向きに生きていきたい。
そんな気持ちを私の心に宿してくれる一冊でした。
みなさんも、町田そのこさんの世界観をぜひご自身で体感してください。
人として大切な想いをきっと心に残してくれる作品ばかりです。
今回はこのあたりで、ではまたお会いしましょ〜
町田そののさんは私が読書を好きになるきっかけとなった著者さんです。
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