けいのゆるブログ

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20代男子のなんてことのない日常。「マイペースに生きていくこと」が人生のモットー

映画「52ヘルツのクジラたち」|レビューします。世の中に隠れた問題を訴求した作品。何度も泣きます。

出典:映画『52ヘルツのクジラたち』公式サイト (gaga.ne.jp)
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原作は、私に小説を読むことの楽しさを教えてくれた一冊でした。

 

コロナ禍で家で出来る読書をしようと思った時に最初に手にした本であり、小説で初めて涙を流した一冊です。

 

この本に出会って小説を読むことが私の趣味になりました。

 

人生を変えた一冊と言っても過言ではありません。

 

そんな作品が映画化される。これは観に行くしかない!!

ということで、さっそく観に行ってきました。

 

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本作品は決して明るい世界観ではなく、シリアスな世界観です。

 

タイトルの52ヘルツのクジラたちというのは、誰の耳に届くことのない52ヘルツの周波数で泣く、広い海の中で孤独なクジラからきています。

 

本作は、親の虐待から声を失ってしまった少年の52ヘルツの助けの声を、似た境遇をもつキナコが聴き、救うという物語。

そしてキナコの原動力は、過去にキナコ自身の52ヘルツの声を聴き、救ってくれたトランスジェンダーである安吾の存在があったから。

 

「生きたい」「愛されたい」「愛したい」

そんな当たり前の感情が叶わず苦しみ、そして誰にも届かない52ヘルツの声で助けを求めている。

 

自分の置かれている環境がいかに恵まれていたのか、自分にとっての当たり前は、誰かにとっては当たり前ではない。本当に考えさせられました。

 

世の中に隠れがちになっている問題に訴求しているため、メッセージ性が非常に強く、とても感情を揺さぶられる作品です。

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物語に登場する少年は、親から愛情をもらうことができず、お前はムシだと言われ続け虐待を受ける。そして声も失ってしまった。

 

そんな環境に自分が直面していたら、きっと自分は耐えられない。

 

当たり前のように両親から愛情を注がれて育ってきた私ですが、それは当たり前ではないのかもしれない。

 

子どもは産まれる環境を選ぶことができないのに。。。

そして子どもにとっての心の拠り所は親しかいないのに。。

とても心が痛かったです。

 

ムシと呼ばれ続けたその少年の名前が「愛(いとし)」と分かったシーンは心揺さぶられました。

 

産まれた時は愛されていたはずなのに・・・どこで歯車が狂ってしまったんだろう。。。涙が止まりませんでした。

 

そして本作は、家庭環境という複雑な問題と安吾がトランスジェンダーであるという問題が絡み合います。

 

何回泣かせるんだ……作品中で何度も何度も泣きました。

 

 

 

声を失った愛を救うことができたのは、似た境遇をもったキナコだからこそできたこと。そしてキナコの原動力は、キナコの52ヘルツの声が聞こえたトランスジェンダーである安吾が救ってくれたという過去があったから。

 

きっと愛はこれから出会う誰かの52ヘルツの声を聴き、助けてくれる。

そんな救いの輪が広がっていくと嬉しい。

 

決してハッピーエンドではない映画であると私は感じましたが、最後はそんな希望を持たせてくれる作品でした。

 

大袈裟かもしれないですが、私も誰かの52ヘルツの声を聴いて、誰かを助けられる人間になりたい。そんな人の声を聴けるような人になりたいと思いました。

 

みなさんもぜひ劇場でご覧下さい!

 

ではまたお会いしましょ〜