けいのゆるブログ

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20代男子のなんてことのない日常。「マイペースに生きていくこと」が人生のモットー

「生」と「性」を描いた物語「ハンチバック(著者:市川沙央)」レビュー。第169回芥川賞受賞作の感想は・・・

 

みなさん、こんにちは。

本日は読了本の感想となります。

 

今回読んだ本は「ハンチバック(著者:市川沙央)」

となります。

 

なんだかすごい本を読んでしまった気がします。

 

 

著書概要

出版社:文芸春秋

発売日:2023年6月22日

定価:1,430円

著者:市川沙央

 

あらすじ

 

井沢釈華の背骨は右肺を押しつぶす形で極度に湾曲し、歩道に靴底を引きずって歩くことをしなくなって、もうすぐ30年になる。

両親が終の棲家として遺したグループホームの、十畳ほどの部屋から釈華は、某有名私大の通信課程に通い、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」とつぶやく。

ところがある日、グループホームのヘルパー・田中に、Twitterのアカウントを知られていることが発覚し——。

 

第169回芥川賞受賞作品となります。

「私の身体は生きるために壊れてきた」という強烈なキャッチフレーズに惹かれてつい手にとってしまいました。

 

 

 

 

 

レビュー

「ミオチュブラー・ミオパチー」という先天性の難病を抱え、人工呼吸器と電動車椅子を使わなければいきられない、釈華(しゃか)の物語です。

 

正直言うとこの本の読後感はあまり良くなかったです。

 

言葉が強く、妬み・嫉妬・憎悪など、人間の様々なネガティブな感情がとても生々しく表現されています。

 

全体のページ数としては90ページ前後ですが、気を抜くと本当に心をえぐられます。気を抜いて読んでしまったと気が付いたら少しだけ心を休めて、再度読むということを繰り返して読了しました。

 

「妊娠して中絶をしてみたい」

私がこの本を読んで印象に残った言葉です。

言葉だけ聞くととんでもない表現であるかもしれません。しかし本書ではこのような強い言葉での感情表現がとても多いです。

 

健常者では理解しがたい思想・妬みを障害者目線でかなり強めの言葉で描写されています。

 

人間のネガティブな感情をオブラートに包まず、読者に言葉という強力な刃物を向けてきます。油断禁物です。

 

さらに本書はそんな描写だけでなく、衝撃的な展開が待ち受けています。

 

終盤の展開には正直驚かされました。

何を起きたかは実際に読んでいただきたいのですが……SNSの恐ろしさを感じさせられました。

 

本書は少なからず読者に刺激を与えてくれる1冊になっています。優しい物語ではなく、少し刺激のある本を読みたいという時にオススメします。

 

ではまたお会いしましょう〜

 

 

 

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