
みなさんこんにちは!
本日もお越しいただきありがとうございます。
今回は読了本の感想を記事にしていきます。
今回ご紹介する作品は
辻村深月さん著「ツナグ」となります。
あらすじ
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。
感想(レビュー)
亡くなってしまった大切な人とまた会いたい。そんなことを思ったことは、皆さんありますでしょうか。
私自身、身近な人が亡くなってしまう経験をあまりしたことがないため、亡くなった人に会いたいと思ったことはないですが、このブログを読んでくださっている方の中には会いたい人がいるかもしれません。
本書は、一度だけ死者との再会を叶えてくれる「使者(ツナグ)」という人物を中心に、様々な想いを抱えた人が使者(ツナグ)を通じて、死者と再会を果たし、人の想いを繋ぐ物語となっております。
ネタバレになってしまうので、多くは語りませんが、「長男の心得」と「親友の心得」、この二つの物語が個人的に心に残った話になります。
「長男の心得」では、長男靖彦が亡くなった母親に会い、その母親が早くに亡くなった夫に会った理由を知った時、心にとても温かい想いが染み渡りました。
そして「親友の心得」は、恐怖でゾクッとしました。亡くなった人に会うことが必ずしも自分自身の心を前向きにさせてくれるものではないと感じました。
両親、恋人、友人。大切に想う人を亡くし再会を望む人、後悔の念から再会を望む人。抱える想いや、再会を果たした後の人の感情もそれぞれあり、1色ではない。
死者と会うことが必ずしも心を前向きにさせるとは限らないが、死者は生者のためにあり、生者は死者の想いを繋いでいく。
本書は死者に会うという少し現実からかけ離れたものとなりますが、この物語は死者に会うということが本質ではなく、大切な人との大切な時間、一分一秒に後悔を残すことなく今を生きて欲しいということが本書のメッセージだと思います。
生き物として生まれたからには、「死」と向き合うことに必ずなる。でもそれと向き合ったときに後悔を振り返るのではなく、この人と出会うことができて、繋がることができて本当によかった。
そしてその死者から受け取った想いの繋がりを、自分自身がまた次の生者に繋ぎ、連鎖をさせる。それこそが生者に与えられた使命であり、生き物の本質であると思います。
自分も今繋がっている誰かにそういった想いを繋いでいきたい。
「死」という人間が向き合うことをためらってしまうネガティブな物事を、ポジティブな思いへと昇華させ、読んだ人の心を温めてくれる素晴らしい1冊であると感じました。
気になった方はぜひ、手に取って読んでみてください!
ではでは、またお会いしましょう~~
書誌情報
| 読み仮名 | ツナグ |
|---|---|
| シリーズ名 | 新潮文庫 |
| 発行形態 | 文庫、電子書籍 |
| 判型 | 新潮文庫 |
| 頁数 | 448ページ |
| ISBN | 978-4-10-138881-6 |
| C-CODE | 0193 |
| 整理番号 | つ-29-1 |
| ジャンル | 文芸作品、文学賞受賞作家 |
| 定価 | 880円 |
| 電子書籍 価格 | 880円 |
| 電子書籍 配信開始日 | 2017/09/01 |